電子レンジの歴史

電子レンジの開発と発展を時系列でみていきましょう。

1916年;マグネトロンの発見。 単純な2極マグネトロン(magnetron)はGE社の研究所で発明され、1921年に特許(1387985)が取得されました。

1927年;分割陽極型のマグネトロンの発明。 東北帝国大学により公表され、国内の雑誌に発表されましたが、特許(124419)の取得は1936年12月6日で、海外には知られていませんでした。

1929年;電波によって微生物を除去。 電波によって微生物を除去する特許 (1863222 1932-6-14)が取得されました(使用する周波数は6MHzから600MHz)

1930年;誘電加熱の特許。 高周波(20から50MHz)の電界の中に置かれた物体が発熱する(1900573 1933-3-7)が取得されました。

1932年;電波による治療。 電波による治療に関する特許(1945867 1934-2-6)が取得されました。

1934年;空洞型のマグネトロンの発明。 2年後の1936年に米国特許 2063342( electron discharge device)が取得されました。

1940年;水冷マグネトロンの発明。 英国のバーミンガム大学のランドールブートは1940年8月にマグネトロンを水で冷却することで出力を大幅に増加(100倍、6kW)させることに成功しました。この発明はレーダーの性能を飛躍的に向上させました。1940年8月22日に特許を申請し、1947年5月16日英国特許GB588185を取得しました。

1946年;マイクロ波による加熱を発見。 マイクロ波によって食物の温度は急速に上昇することを発見し特許(Method of Treating Foodstuffs)を申請し1950年に特許( 2495429 1950-1-24)を取得しました。これが電子レンジの始まりです。

1947年;最初の電子レンジの販売。 レイセオン社はいくつかの電子レンジに関する特許を申請し、最初の電子レンジ(商品名Radarange)が発売されましたが、売り上げは芳しいものではありませんでした。

1958年;小型で安価なマグネトロンの発明。 日本の新日本無線㈱が加熱用小型で安価なマグネトロン(2.45GHz)が作られ、後に家庭用小型電子レンジようのマグネトロンがつくられました。

1961年;日本初の電子レンジを開発。 日本でも電子レンジが開発され、翌年に業務用電子レンジの生産を開始しました。

1963年;松下電器産業株式会社が電子レンジの量産開始。 価格115万円でしたが業務用に使用されました。

1963年;電子レンジのデサイン特許。 電子レンジに関する米国のデサイン特許の最初のものはd202185です。Litton社は1972年までほぼ毎年新デザインを申請しています。

1964年;レイセオン社のマグネトロンは軍事用の規格で作られていて価格が高く、その頃、日本で作られたマグネトロンの価格が10倍だったため、Amaa社が日本のマグネトロンと同様なものを作ることになりました。

1967年;家庭用電子レンジの開発。 安価なマグネトロンを使用した小型で安価な電子レンジ($500)を開発して販売を開始すると急速に普及し1970年には300-400ドルの電子レンジを40000台販売するようになりました。

1968年;日本のデザイン特許。早川電気株式会社(現在のシャープ)が米国デザイン特許(d216284)を日本で始めて申請しています。1970年代以降の電子レンジに関する米国デザイン特許では日本からの申請が大部分を占めるようになりました。

1969年;日本国内の電子レンジ販売は、38万台に達し、普及が加速されました。

1971年;家庭用電子レンジの開発。 業界初、8万円代の電子レンジが登場し、急速に普及し始めました。

1971年;日本からの電子レンジの輸出。 日本からの米国へ電子レンジ($100-200)が輸出され急速に普及しました。

1975年;米国での電子レンジ販売台数が100万台になり、ガスレンジの販売数量を上回りました。

1985年;米国での電子レンジ販売台数が1000万台になり、そのほとんどが日本製の電子レンジでした。