空気清浄機の歴史

ここでは空気清浄機の歴史を振り返ります。

空気清浄器の創成期

空気清浄機の歴史は19世紀はじめの産業革命当時のイギリスから始まったそうです。当時のエネルギー源は主に石炭で、石炭を燃やすことによって出る煤煙の除去を目的として作られたと伝えられています。

それまでは換気によって空気を清浄していましたが、換気をするための空気を取り入れるべき場所も汚染されはじめたので、自然の流れで空中の汚染物質を取り除く必要に迫られていきました。

1962年頃、日本においてはフィルターを備えた空気清浄機が登場しました。その頃の日本は高度経済成長期にあり、四日市ぜんそくなどの大気汚染による公害が社会問題となる頃でした。

1980年頃からは、社会問題化した花粉症のために使われることが多くなりました。住宅もこの頃から高気密化し始め、住宅における喫煙等の問題もありました。

空気清浄器の進化と普及の歴史

1990年頃から一般的に空気清浄機が使われるようになってきました。

その当時は、方式の呼び名も統一されておらず、電気工業会では「空気清浄機にはファン式とイオン式がある」などというように、わかりやすく説明するように広報活動を行っていました。さらに今では信じられませんが、当時は「この装置を使用すると自宅の部屋がクリーンルームのようになる」、あるいは「シックハウスの原因物質もすべて除去できる」などという、誇大広告ともいえる宣伝もやり放題の時期でした。まさに時は空気清浄機バブルという状態で家庭に普及していきました。

しかし、誇大広告の疑いが濃い宣伝は当局による指導や自粛のためにほとんど姿を消し、ほぼ「誇大広告合戦」といってよいほどの宣伝を繰り返していた企業2社にも、公正取引委員会より「不当表示」として排除命令が出されました。(うち、1社は審判を行ったが、結局訴えは棄却されました)。これをきっかけにイオン式空気清浄機は市場からほとんど消えてしまいました。

それと時を同じくして、現在でも主流となっているHEPAフィルターを用いた高性能なファン式清浄機が一般化し始め、さらに高性能化をねらったULPAフィルターのタイプも登場しはじめました。ただし、ULPAフィルターは過剰性能であり、近年ではあまり存在しません。風量も豊富で、花粉やハウスダスト等の比較的落下しやすいサイズの微粒子の集塵に対しても、実用になるものが増え始めました。

テクノロジーの進化と最新技術

2000年代に入ると、煙草の煙や花粉などだけではなく、カビや雑菌の除菌を目的とした需要が増えました。「抗菌」のキーワードで語られる衛生ブームに、空気清浄機も乗ることに成功したのです。その少し前からのマイナスイオンブームの影響もあり、高性能・高機能の空気清浄機が一気に普及しました。

2003年の空気清浄機の普及率はおよそ23%とされ、これは10年前1993年の2倍以上となりました。

2004年(2003年度)、スギ花粉飛散量が著しく少なかったこの年、これまでは毎年のように前年出荷を上回る成長を続けてきた空気清浄機の全国での出荷数が初めて前年を下回りました。さまざまな需要がある中で、やはり空気清浄機は花粉症対策としての需要が大きい証拠といえるものです。

ここ数年の家庭用空気清浄機の動きとしては、従来の業務用を凌駕するほどの大風量タイプが出始めているのが特筆できます。また抗菌だけではなく、各種アレルゲンの分解・除去などを行うと称するものも増えていて、空調家電というよりも健康家電と呼んだほうがいいほどの状況になりつつあります。