家庭用エアコンのしくみ (ヒートポンプのしくみ)

家庭用エアコン(ヒートポンプシステム)の概略

今では一家に数台あることが当たり前になった家庭用エアコンは、ヒートポンプシステムというシステムを採用しています。

「ヒートポンプ」という言葉は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、その意味は何??と聞かれても答えられない方は多いかと思います。

 

知らないことは、裏を返せば「知ることのチャンス!」ということで、エアコンを賢く便利に使うためにも、一緒に覚えていきましょう。

 

ヒートポンプというものは、エアコン以外にもエコキュート(家庭用電気式湯沸かし器)にも採用されています。

 

エアコンとエコキュートの違いは、「空気を調和するのがエアコン」「水(お湯)を調和するのがエコキュート」と覚えておきましょう。

 

これでひとつ知識が増えましたね。それでは続きを進めましょう。

 

それでは、エアコンやエコキュートはなぜ冷暖房ができたり、お風呂や給湯のお湯が出せるのでしょうか??

 

ここで覚えておきたいのは、家の外の「外気」と家の「室内」で熱を交換することで冷暖房や給湯ができるということと、熱を交換する手段として、「冷媒」を使用するということです。

 

またひとつ知識が増えたところで、最初の章はおしまいです。次の章に移りましょう。

今回はエアコンの説明をしていきますが、もしリクエストがあった場合には、後日エコキュートの説明をさせて頂きます。

 

家庭用エアコンの暖房運転のしくみを簡単に説明します

この章では、家庭用エアコンの暖房運転についてお話したいと思います。

まず最初にお話したいのは、わざわざ「家庭用エアコン」と言っていることには訳があります。

デパートや工場などの床面積が非常に大きな施設と一般家庭では、空調システムそのものが大きく違います。

いわゆる「大規模空調」というものは、外気と熱を交換するヒートポンプだけでは到底賄えません。なので設備が複雑かつシステムも複雑化しています。小規模オフィスなどの空調機器は家庭用と同じヒートポンプを採用している事例もありますが、ここではエアコンを「家庭用エアコン」に限定してお話していきます。

 

※以下、「家庭用エアコン」を「エアコン」としてお話していきます。

 

さて、前置きが長くなりましたが、エアコンの暖房運転について、簡単にご説明したいと思います。

まずは簡単な図をご覧ください。

上の図がエアコンの暖房運転を簡単に示したものとなります。

「冷媒」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、上の図のように、エアコンの室内機と室外機の間に冷媒を流して、「冷媒」に熱を加えたり、圧力を加えたり、凝縮させたり、膨張させて、「冷媒」の状態を変化させることで、周囲の空気の状態を変化させています。

ここでは、上の図の「蒸発器」が「室外機」に相当し、「凝縮器」が「室内機」に相当することを覚えましょう。

エアコンの冷媒に熱を加え、圧力を加え、凝縮し、膨張することに電気を使っているという訳です。これは暖房運転だけでなく、冷房運転でも共通で、違うことは「冷媒の流れる向きが冷房では暖房の逆となり、冷房機では「蒸発器」が「室内機」に相当し、「凝縮器」が「室外機」に相当する」ということになります。

ここで疑問に思った方もいるかも知れません。それは・・・「暖房運転時、室内に温風を送るために外気から熱を奪う」とありますが、「そもそも部屋より寒い外気からどうやって熱を奪っているの??」と思いませんか??

その答えは「室外機で冷媒を蒸発させている」ことにあるのです。蒸気がその周りから熱を奪う力はとても大きく、たとえ外が氷点下であっても熱を奪えるのです。

絶対零度という言葉をご存知の方もいるかと思いますが、絶対零度は約-273℃ですので、それより高い温度であれば、「奪える熱」が存在するのです。

なので、外がいくら寒くてもエアコンは効果的ですが、外が寒ければ、熱を奪う前に冷媒を蒸発させるエネルギーがたくさん必要になるので、電気代がかさんでしまいます。

また、外気が氷点下になるとエアコンが動かなくなることがありますが、その理由はあとで説明しますので、もう少しお待ちください…。

この章ではキーワードが数多く登場しましたが、キーワードは赤色に変えてありますので、赤字の部分を覚えておきましょう

 

家庭用エアコンの冷房運転のしくみを簡単に説明します

暖房運転のところで少しお話してしまいましたが、まずは冷房運転の簡単なしくみを表した図をご覧ください。

暖房運転の時と注意して比べると、以下の点が違いますね。

  1. 冷媒が流れる向きが反対になっている
  2. 室内機が「蒸発器」となり、室外機が「凝縮器」となっている。

間違い探しではありませんが…この2点が違うところです。

つまり、簡単にひとことで言うなら、「暖房は外の熱を集めて室内に放出する」「冷房は室内の熱を集めて外に放出する」と言えますね。

 

冷房と暖房の切り替え「四方弁」という四方向に向いた弁が切り替わることで行われます。

エアコンのリモコンを使って、冷房から暖房にあるいは、暖房から冷房にピピッとボタンを押して切り替えたとき、エアコンは四方弁の切り替えを行う大仕事をしているのです。

 

※そのほかに冷媒を流すポンプが存在しますが、お話が難しくなりますのであえて割愛しています。

 

冷房もあまりにも暑い時は効かなくなりますよね~という野暮な話は後回しにしています。もう少しお待ちくださいね。

 

そもそも「冷媒」とは?暖房なら「温媒」と言わないの??

エアコンの中を循環している「冷媒」ですが、これ自体は冷房運転でも暖房運転でも同じもので変わりません。なので「温媒」というものは存在しません。暖房運転でも「冷媒」を使います

「冷媒」は非常に熱しやすく冷めやすい、さらに圧縮も膨張も簡単にできる物質が採用されています。

昔は「フロンガス」というものを使っていましたが、オゾン層破壊につながる物質なので、現在は環境にやさしい物質に変化しています。

 

ここでひとつ疑問が浮かんできそうですね・・・「なんで冷房/暖房の両方運転するのにエアコンの中を循環させている物質は「冷媒」なのよ?」という突っ込みを入れたくなる方もいらっしゃると思います。その気持ち、十分わかります。

しかし、エアコンが進化してきた歴史をひとことで言ってしまえば、疑問がどこかへ飛んで行くことでしょう。

「エアコンは、元をただせば「クーラー」が出発点です」

これでなんとなく納得できないでしょうか?

寒い時期に部屋などを暖める方法はストーブなどの別の方法もありますが、夏の暑い時期をしのぐための電化製品は、元々扇風機しかありませんでした。

技術が進化して「クーラー」が登場し、クーラーの中を循環する冷たさを得るための物質として「冷媒」という名称がつけられ、やがて「クーラー」が「エアコン」に進化して、中を循環する物質だけが「冷媒」という名前で取り残されてしまったのです。

進化に合わせて「冷温媒」と名称を変えればよかったのに…と思いませんか?そんなことはどうでも良いでしょうか…?

 

なぜ氷点下や超高温でエアコンが動かなくなるのか?

さんざん引っ張ってしまって申し訳ありません。

これだけが知りたかったという方もいるかと思いますが、今回は「みんなで賢くなりましょう」がコンセプトなので、話題を最後に持ってきました。

ではここまで長くなってしまったので、早速本題に移ります。

 

氷点下でエアコンがうまく作動しないことが頻発する理由は、「室外機(凝縮器)の凍結」によるものです。自動車の「ラジエータ」という部品をご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、室外機の横側または裏側に同様の部品があり、これがまさに「ラジエータ」と同じ形をしていて、この部品が「凝縮器」なのですが、この部品の表面に霜がおり、凍結してしまうとエアコンとしての機能を果たすことができなくなります。

解決策としては、エアコンのリモコンで「送風」のメニューがあればそれを選択、なければ罰ゲームのようですが、「冷房」として10分程度運転してから「暖房」に切り替えます。

つまり、先に説明した「四方弁」を一度切り替えて、冷媒の流れを逆にすることで、霜が大量に付着した状態や凍結状態から解放してあげることで、本来の暖房機能を回復させます。「四方弁」、覚えていますか??忘れた方は冷房運転の章から読み直してくださいね。

 

今度は外気がおおむね35℃を超えると冷房が効かなくなる件ですが、まず日本の夏は高温多湿であるということを思い出しましょう。高温多湿の環境下でエアコンの冷房運転をしようとすると、室外機(今度は蒸発器)が結露してしまい、うまく熱を交換できなくなってしまい、結果としてエアコンの利きが悪くなるあるいは、ウンともスンともいわなくなります。

なので、解決策は暖房運転の逆となり、「送風」のメニューがあればそれを選択し、なければ「暖房」を選んで10分程度運転して結露を取り除いてから「冷房」に切り替えます。

 

※暖房/冷房ともに上記の対策に効果が見られない場合には、エアコンの故障や冷媒の漏れなどの恐れがありますので、最寄りの電器店にご相談ください。

(関東地方北部(特に群馬県内)の方はデンキのアオキまでご相談頂ければ幸いです。)

 

 

おわりに

エアコンのしくみについて簡単にご説明させていただきましたが、いかがでしたか?

エアコンも決して安い買い物ではありません。そのしくみを知って、賢く、そしていたわりながら大事に使ってあげてくださいね。

 

次回更新では、エアコンの温度設定って意味があるの?どうやって設定温度まで部屋の温度を変化させるの??という疑問についてお話します。(記事作成に時間がかかりますので、更新時期は未定です)

 

お楽しみに!

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